プージャーとは?
「プージャー」は、サンスクリット語で、「供養」を意味しており、その語源は、ドラヴィダ人の言葉で、「花」を表す「プー」と、「生ける」を表す「ジャー」にあります。つまり、この「プージャー」という言葉には、「花をお供えして、礼拝をする」という、実際の意味が込められているのです。
そして、今では、花だけではなく、お水、お香、ロウソクの灯明、お菓子、サンダルウッドのペースト、その他、いろんなものをお供えして、礼拝することを含めて、「プージャー(供養)」と呼んでいます。
もっとも簡単なプージャーは、お水やお香だけで行う場合もあります。このようなプージャーは、ヒンドゥーの神々を信仰している人々の間では、特別な実践ではなく、毎朝、日常的に実践されていることです。
特に、一般大衆に人気のあるガネーシャ神へのプージャーは、日々、多くの人々に実践されています。また、ガネーシャ神は、占星術の守護神でもあるため、インドの多くの占星術師たちにとって、毎朝のガネーシャ神へのプージャーは、もっとも大切な日課となっています。
ガネーシャ神へのプージャーは素晴らしい功徳となる
ガネーシャ神へのプージャー(供養)、すなわち、ガネーシャ神に対して、水やお香などをお供えして、礼拝することは、素晴らしい功徳(良いカルマ)となります。また、それは、開運法として素晴らしい効果があるものです。
ガネーシャ神に、手を合わせて、水をお供えしたり、お香をお供えしたりすることは、身体における功徳となります。そして、お供えをするときに、マントラを唱えることは、言葉における功徳となります。さらに、帰依の心を込め、感謝の心を込めて、マントラを唱えたり、お供えをしたりすることは、心における功徳となります。
このような形で、正しいプージャーを行うことにより、身体、言葉、心といった、三業(3つの行為)における、素晴らしい功徳を積むことができるのです。 ガネーシャ神へのプージャーを行うときは、エゴに満ちた通常の意識状態をできるだけ離れ、苦しんでいるすべての魂に、その功徳の果報が還元されることを願いながら実践します。それにより、功徳は、より大きくなります。
ガネーシャ神へのプージャーによる開運の効果は?
ガネーシャ神に対して、プージャーを行うことにより、心が安定し、神秘的な守護を受けることができます。
さらに、ガネーシャ神がもっている功徳の光によって、自分の暗い意識が照らし出され、今まで見えなかったものが見えるようになり、謙虚に自分自身を見つめ直すことができるようになります。
そして、必要なときに、示唆を受けれるようになるのです。このような示唆は、インスピレーションとして、与えられることもありますし、瞑想や、夢の中で、与えられることもあります。また、誰かの周囲の人の言葉を通して与えられることもあります。
ガネーシャ神は、このように、示唆を与え、達成を手助けしてくれるだけでなく、あらゆる障害を除去して、成功に導いてくれます。また、その幸運な力で、富や繁栄をもたらしてくれるのです。
※これらのメリットは、ガネーシャ神へのプージャーを実践する一般の人々や占星術師たちが今まで実際に体験してきた真実です。
なぜプージャーは功徳になるのか?
ところで、なぜガネーシャ神へのプージャーは,、功徳となり、私たちに、いろんな恩恵をもたらしてくれるのでしょうか?
プージャーを行うことにより、その対象との間に、カルマの入れ換えが生じます。これは、あまり語られることのない、プージャーの裏に隠されている神秘的な法則です。
たとえば、功徳の高い、智慧に優れた神に対し、プージャーを行うことにより、その神との間に、カルマの入れ換えが生じます。その結果、自分のカルマの汚れが浄化され、逆に、その神から、もともと自分に備わっていなかった、功徳や智慧を受け取ることができるのです。
プージャーの対象の選択は慎重に
プージャーを実践するときには、まずその対象を決める必要があります。プージャーについて、注意をしなければならない点は、プージャーを行うことにより、それが、良い要素であれ、悪い要素であれ、その対象の影響を受けるようになるということです。
例えば、好戦的な神々に対して、プージャーを行うと、自分自身も、好戦的になってきます。また、貪りの強い、低級の神々に対して、プージャーを行えば、自分の貪りも強くなります。つまり、プージャーを行うことにより、その対象がもっている悪い要素(カルマ)を受けることもあるのです。そのため、プージャーの対象は、慎重に選ばなければなりません。
けれども、そのプージャーの対象が、あらゆる障害の除去者であり、商売繁盛の神であり、智慧を司る学問の神であり、文化や芸術を司る技芸の神であり、あらゆる幸運をもたらす神、ガネーシャ神であれば、間違いはないでしょう。特に、占星術を学ぶものや実践するものにとっては、占星術の守護神である、ガネーシャ神は、最適なプージャーの対象と言えるでしょう。
ガネーシャ神へのプージャーを行う
まず、ガネーシャ神の像を設置します(できれば、東側、その次に、西側が好ましい)。
そして、そのガネーシャ神の像の前に、毎日、お供物を捧げるようにします。
プージャーを行う前には、身体を洗い(少なくとも、手を洗い)、その後、プージャーを行うのが理想的です。
ガネーシャ神へのプージャーは、いつ行っても良いのですが、毎朝の日課にするのも良いかもしれません。
ガネーシャ神に、何かをお供えするときには、以下のように、そのお供えする物に適したマントラを唱えながら行います。
アウム・ガン・ガナパタイェー・ナイヴェーディエー・スワハ
*ガナパティ(大衆の指導者)を食べ物によって供養いたしますアウム・ガン・ガナパタイェー・アペー・スワハ
*ガナパティ(大衆の指導者)をお水によって供養いたしますアウム・ガン・ガナパタイェー・ガンテー・スワハ
*ガナパティ(大衆の指導者)をベルの音によって供養いたしますアウム・ガン・ガナパタイェー・プシュペー・スワハ
*ガナパティ(大衆の指導者)をお花によって供養いたしますアウム・ガン・ガナパタイェー・ドゥーペー・スワハ
*ガナパティ(大衆の指導者)をお香によって供養いたしますアウム・ガン・ガナパタイェー・ディーペー・スワハ
*ガナパティ(大衆の指導者)をロウソク(灯明)によって供養いたします
ガネーシャ神に対する帰依
次のマントラを唱えることによっても、ガネーシャ神への帰依を表すことができます。
アウム・ガン・ガナパタイェー・ナマハ
*ガナパティ(大衆の指導者)に帰依いたします
また、ガネーシャ神にお供え物をすることや、マントラを唱えること以外にも、いつでも、ガネーシャ神の意思を考えて、それを実行しようとすることは、ガネーシャ神への帰依となり、素晴らしい功徳となります。
より高度な段階としては、真理の智慧を学び、それに基づいて、生活をすることにより、ガネーシャ神への帰依を表すことができます。真理の智慧とは、具体的には、カルマの法則(因果応報の法則)をはじめとする、宇宙の普遍的な真実のことです。
この真理の智慧には、ヴェーダーンタ(ヴェーダの中心的思想)、あるいは、ヴェーダーンガ(ヴェーダから派生した学問体系)の中に語られている内容も含まれます。ちなみに、インド占星術は、6つあるヴェーダーンガのうちの1つ、ジョーティシャ(天文占星学)に含まれています。
※ヴェーダを補う学問、ヴェーダーンガには、シャイクシャー(音韻・発音学)、カルパ(儀式に関する規則)、ヴィヤーカラナ(文法)、ニルクタ(解釈学)、チャンダス(音律・詩形論)、ジョーティシャ(天文占星学)といった、6つがあります。
※カルマの法則については、『スピリチュアル占星術』でも触れています。興味をお持ちの方は、そちらもお読みください。