まず、ペンチで挟んで割ることを試みましたが、あまりにも硬すぎるので、断念しました。
次に、それならばということで、金属製のハンマーで、ルドラークシャを力強く叩いてみました。
ルドラークシャが割れ、その中から、柿の種みたいなルドラークシャの種が現れました。
ルドラークシャとは、インド、ネパール、チベットなど、アジアの国々で特別に神聖なものとして尊重されている菩提樹の実のことです。
このルドラークシャは、首にかけるだけで、あるいは一目見るだけでもカルマ(業)や心が浄化されるほど強力なものとされており、インドでは、他とは比較できないほど、特別に神聖なものとみなされています。
ルドラークシャは、ひもを通すことにより、ペンダント、ブレスレット、ネックレス、あるいはジャパマーラー(マントラ数珠)として使用されています。
また、そのビーズ(珠)のまま、祭壇に安置してプージャー(供養や礼拝)の対象として使用されることもよくあります。
もともとルドラークシャは、シャクティー(霊的な力)を得て修行を進めるために、昔から、霊性の向上を目指す多くの修行者たちに使用されてきた非常にスピリチュアルなものです。
ヒンドゥーの最高神でありヨーガ行者の主宰神でもあるシヴァ神は、首や腕にいろんなサイズのルドラークシャ・マーラー(菩提樹の実の数珠)を何重にも身につけた姿でいつも描かれています。
そのためルドラークシャは、ヨーガ行者やシヴァ神の信奉者たちに好んで使用されており、特に、シヴァ神の信仰者にとって、ルドラークシャのジャパマーラーは必須アイテムとされています。
たとえば、ヒマラヤに住む聖者や修行者の中で、ルドラークシャ、あるいはルドラークシャで作られた数珠、ネックレス、ブレスレットなどを全く身につけていない聖者や修行者を探すことのほうが困難なほどです。
また、このルドラークシャを身に着けると、シヴァ神をはじめ、ヴィシュヌ神、ガネーシャ神、ハヌマーン神、太陽神など多くの神々が非常に上機嫌となり、それによって神々のご加護が得られ、富や財産を得て、子孫に恵まれ、大いなる繁栄が約束されると言われています。
このように、霊的修行者、ヨーガ行者、あるいはシヴァ神の信奉者にとって必須のアイテムであり、ヴィシュヌ神、ガネーシャ神、およびその他の神々の信奉者にとっても非常に重要なルドラークシャです。
さらに、最近では、その効果が話題になり、健康のため、お守りとして、宗派や宗教を超えて、より多くの人々に幅広く使用されるようになってきています。
ルドラークシャ(菩提樹の実)は、仏教においても、ジャパマーラー(マントラ数珠)の素材として最高のものとされてきました。
仏教では、ルドラークシャ(菩提樹の実)以外にも、水晶、白檀、珊瑚、宝石など、いろんな素材が数珠の材料として使用されています。
しかし、それら数多くの素材の中で、ルドラークシャ(菩提樹の実)は別格扱いされており、多くの仏典の中で、菩提樹の実の数珠によってマントラ(真言)を数えるなら、その恩恵は、無限大であると絶賛されています。
ルドラークシャという単語は、サンスクリット語でシヴァ神(ルドラ)の目(アクシャ)を意味しています。ルドラークシャに関する神話はいくつかありますが、ルドラークシャの起源については、多くの古典文献の中に、シヴァ神の目から流れ落ちた涙であると記載されています。
大昔、シヴァ神は、すべての衆生の幸福のために長年瞑想をし続けていたとき、彼らの苦しみを理解して救済したいという強い願望が心に生じました。
そして、少しだけ目を開けたとき、その半ば閉じた目から熱い涙の粒が、母なる大地に落下し、その涙が落下した場所に、ルドラークシャの木が育ち、その木に実った果実の中に見つかったのがルドラークシャであるとされています。
こうして生じたルドラークシャにはシヴァ神の神秘的な力が宿り、人々は、そのルドラークシャに宿るシャクティー(霊的な力)の恩恵を受けることができるようになったのだとされています。
ルドラークシャは、インド、ネパール、インドネシアなどに生息する菩提樹の木になる果実の皮を剥いたものです。
ルドラークシャの果実は、右側の図の通り、最初は緑色をしていますが、成熟してくると左側の図のような暗い青色になります。
そして、木から摘み取られた後は、さらに暗い青紫色になります。
最後に、その果実の皮を取り除いていくと、ルドラークシャのビーズ(珠)が現れてきます。
※ルドラークシャの形状やサイズは、産地によって異なりますが、いずれもルドラークシャとしての類似した特徴を有しています。
まず、ペンチで挟んで割ることを試みましたが、あまりにも硬すぎるので、断念しました。
次に、それならばということで、金属製のハンマーで、ルドラークシャを力強く叩いてみました。
ルドラークシャが割れ、その中から、柿の種みたいなルドラークシャの種が現れました。
このルドラークシャの種は、ルドラークシャの溝と溝の間にそれぞれ1つずつ入っています。
つまり、ルドラークシャの種は、そのルドラークシャのムキー(面)と同じ数だけ入っているということになります。
※このムキー(面)は、ルドラークシャを分類するときに重要な要素です。これについては、下の「ルドラークシャの個性を決めるムキー(面)」で説明します。
現在インドやネパールでは、大きく分けて2種類のルドラークシャが使用されています。
一つのタイプは、直径が15mm~25mmくらいある大きなサイズのルドラークシャです。
このタイプは、主にプージャー(礼拝や供養)の対象として祭壇に安置するなど、ビーズ(珠)のまま使用されたり、瞑想の時に、あるいはいつでも、体内の気を刺激するために手に握って使用されることもあります。あるいは、ひもに通して、ネックレスやペンダントの一部として使用されています。
このタイプのルドラークシャの場合、カシューナッツ形をしたエークムキー(1面)のルドラークシャ、円盤型のドームキー(2面)、楕円形のティーンムキー(3面)など一部はインド産であり、それ以外の多くはネパール産であることがほとんどです。
また、こちらのタイプの場合、インド産のエークムキー(1面)以外のルドラークシャは、大きいサイズのものほど高く評価される傾向があります。
もう1つのタイプのルドラークシャは、インドネシア産の直径5mmm~10mmくらいの小さなルドラークシャで、主にジャパマーラー(マントラ用の数珠)に使用されているものです。
このタイプのルドラークシャは、小さなサイズほど希少性が高く、それに伴って価格も高くなります。
ところが、6mmより小さなサイズの場合、ジャパマーラー(マントラ用の数珠)に使用するには小さすぎるという問題があり、また、十分な硬さを持つ珠を得ることが難しい傾向があります。
さらに、小さすぎるルドラークシャの場合、その小さな珠には細い糸しか通すことができないという制約があるため、ジャパマーラー(マントラ用の数珠)としては、糸の強度が不足することになります。
したがって、ジャパマーラー(マントラ用の数珠)については、実用性および耐久性を考慮し、当店では、6mmよりも小さなサイズは販売していません。
※ルドラークシャのジャパマーラー(マントラ用の数珠)としてのお勧めサイズは、6mm~7.5mmです。
※インドネシア産の場合、通常よりも重くて硬いチクナ・ルドラークシャおよびパットリ・ルドラークシャがあります。